●価値観


最近、息子が一緒に遊んでくれなくなってきた。
必然的に夫と二人で出掛ける機会がほとんどになる。

『雪の中に咲く梅を観に行こう』と誘われる。
万葉の歌人もたくさんの歌を詠むその風情を楽しもうと言う訳。
雪の中、寒いし、まだ咲いたばかりの梅を
愛でようと思う人は、ほとんどいない...
普通は満開になった梅を青空の下で見たいものだろうけれど、
私たちは、こちらを選ぶ。

人影もない中、二人で梅林を歩き、
こんなに美しい景色を独占できることに感動し、楽しくなる。

お互いに同じような気持ちで
時間を共有できることをしあわせに思う。

雪の降る中、梅の写真を撮る。

万葉集より、
 雪寒み咲きには咲かぬ梅の花よしのころはかくてもあるかね
                        作者不明

●雪遊び

雪が少ない地方に住む私たちにとっては、
その対策に慣れていず、困ることも多いけれど、
天から降るこの白い宝石をワクワクした思いで見上げる事もある。
子供の頃は、夢中で雪を集め雪だるまを作ったり、
仲間と雪合戦をしたもの。


中学生の息子が、雪の中友達の家へ遊びに出掛けた。
帰って来ると水が滴る程全身ずぶぬれ。
それをみて察するに...
きっと雪の中でずっと遊び、雪を楽しんだのだろう。

小さい頃から、どろんこ遊び奨励の我が家。
私は、家の中でゲームをする子を見るより、
こんなびしょびしょの子を迎える方が好きだから、
今もこんな姿に微笑んでしまう。
大きくなっても、自然と遊ぶことを続けて欲しいと思う。